Netflix オリジナル ドキュメンタリー「ビリー・ミリガン : 24の人格を持つ男」を観た。
ダニエル・キイスの「24人のビリー・ミリガン」は詳しく読んだことがない。遠巻きに冷ややかな目で見ていた。何だかとても怪しい気がしたし、病気をネタにする姿勢が好きではなかった。精神医学を名乗った流行り本が気高いもののように扱われたのも気に入らない。そして雨後の筍のように類似本が出たのも遠ざかった一因だ。
本が売れている頃、日本の有名な音楽アーチストが影響を受けたと雑誌で語っていて、特にそのアーチストが好きでもなかったので「こんなもんだ」と思った。
ビリー・ミリガンが多重人格障害(解離性同一性障害)かどうかはさておき。この番組を見て思ったのは...
被害者が置き去り。
この2点だけは触れないではいられない。
多重人格がどうとかいう話題ばかりが騒々しく、被害者がすっかり忘れ去られている。レイプ被害者だよ、酷い扱いだ。
そして作家ダニエル・キイスは、お金儲けのために本を書いた。許し難い。遠く離れた日本の有名アーチストが影響を受け、ファン諸々に発信した罪深さ。
この番組の内容が本当だとしたら、何が本当かは番組でも答えが出ていないけれど、かなりイメージ先行して騙されていたところもあるんじゃないか。センセーショナルに作った番組だとは思うけれど、あのブームが何だったのかを考え直してもいいのではないかと思う。
ビリー・ミリガンは2014年に亡くなっている。それが私にはショックだった。
真実は知る人はもういない。