中島みゆきを聴きなおしている。
1stに続き2ndアルバム「みんな云ってしまった」(1976.10.25発売)をダウンロードで買った。これ以上はお金が持たん。これ以降はレンタルしようと思う。お金が溜まって買えるようになったら買いたい。
2ndアルバム「みんな云ってしまった」はこれと言って目立ったヒット曲はないのだけど、このアルバムもかなり聴いた。聴いたのは中学生か小学生か高校生だったと思うけれど(よく覚えていない)、子ども時代(?)って時間がゆっくり進むって言うから、私は暇に任せて何回も何回も聴いていて、1曲1曲染みついて好きになっただけなのかもしれない。
ジャケットの写真の雰囲気が良い。
タイトルが手書き、多分みゆき様本人の文字だと思う。
このアルバムは思い入れが強く、全曲好きなので長くなるけれど、全曲感想を書きたい。
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❶「雨が空を捨てる日は」
“雨が空を捨て”ちゃうんだぜ? その歌詞だけでもうズキューンとやられてしまった。これが1曲目。
「雨が空を見限って」とかも詩的に良い。
❷彼女の生き方
良曲。気の強いメンヘラが前向きに頑張る歌と私は捉えた。
「酒と薬で体はズタズタ、忘れたいことが多すぎる」... うわぁ...となる。私もメンヘラとしてあまり多くは語りたくないが、詞の内容が内容だけに辛い。それでもタンポポの花のように風に吹かれるんだよ! 飛び上がるんだよ! 彼女の人生いつでも晴れなんだよ! メンヘラなのに凄く明るく反骨的。
「思い通りなんか動かない 世の中なんて何もかも だけど私だって世の中の 思い通りなんか動かない」この歌詞聴いただけでもう死んでも良い。
のびやかで力強い曲。
❸トラックに乗せて
ヒッチハイクなのかな。隣町まで行きたいから「おじさん、トラックに乗せて」っていう。ちょっと色っぽい。気怠い。どういう状況かちょっと悩む。1人なのか1人で危なくはないのか。隣町までなぜ行きたいのか、逃げているような気もするけれど。みゆき様の曲は旅や放浪の歌も多いがこの曲もそれ系。
曲調が歌謡曲とロックを足したような感じだけど、初期のみゆき様は全部そんな感じだと思う。
❹流浪の詩
イントロがすごく長い。歌に入るとき急にエレキギター?がコミカルに鳴る。猫と家出する歌のように聞こえたけれど、どちらかというと放浪なのか。
歌詞の中の「ママ」は黒猫の名前だと後で気づく。ペットというより相棒みたい。
❺真直な線
結構な珍曲ではないだろうか。
歌詞の内容より「ん〜」「はあ〜」「えぇ〜」「ふんうぅ〜」っていう喘ぎ声ともとれるような声が気になる。でもよく聞くと歌詞も良い。いろいろ計算されているのかもしれない。最後なぜか「っ」と途切れるように終わるのが面白い。
“真直な線は真直な定規をたどらなきゃ引けない”とは哲学的。
❻五才の頃
大分昔に何かで読んだことがあるのだけど、生きづらい系自助グループで、会の最後にみんなで合唱して、そして泣くというところがあるということを知り驚いた。良い曲だけどみんなで合唱は... でも前奏が合唱ぽくて宗教みたいかな。同じメロディで同じフレーズを繰り返してるところも洗脳的かもしれない。
五才という年に私はあまり思い入れがない。ボーッとしていたのかもしれないけれど歌詞内容にピンとこない。泣いた覚えもあまりないし泣くときは“手放し”では泣かなくて怨念を込めて泣いてた気がする...
❼冬を待つ季節
「春夏秋は冬を待つ季節」これもかなり強い言葉。最後はこの歌詞を連呼してるのだけど、ドドドドーとなだれ込みながら終わるところが迫力がある。「おまえ」という呼びかけがよくでてくる。「あなた」でも「きみ」でもない厳しい呼びかけがカッコいい。
イントロのギターが悲しく綺麗。笛の音も寂しい。
❽夜風の中から
歌詞に「おまえ」「オイラ」というのが出てくる。たまにあることなんだけど「おまえ」と「オイラ」どっちが男でどっちが女なのか分からなくなるのは私だけかな。「浮気でヤクザな女」というのも古めかしい。
暗い昭和歌謡のような曲調。
❾03時
今度は「あたい」という言葉が出てくる。現在だって、このアルバムが出た当時だって自分のことを「あたい」なんて言ってた女性がいたのか、そんなのテレビだけの話だと思う私は世間知らずか。
「あんた」と「あたい」が乗った夜汽車が03時にすれ違うのだけど、追いかけてくる「あんた」から「あたい」は逃げる“すれ違い”の悲しい物語。
中毒性があるメロディ。前奏と最後がシンセサイザーなのかデンデケビロビローと言ってる。
➓うそつきが好きよ
「きらひぃ(嫌い)」「こわいぃ(怖い)」「りょおぉてぇ(両手)」とか歌い方に癖がある。
お酒を楽しく飲んでるようだけど「酒を飲んじゃあ「とんでる」わ」ときた。みゆき様は酒豪と聞いているので大したことないのかもしれないけれど、何だか心配になる内容。別に歌は歌であり、みゆき様本人のことではないかもしれないけれども。
❶❶妬いてる訳じゃないけれど
悲しすぎる。「あたしを乗せない船が今日も港出るところ」...えええ! 「誰か私を抑えていてよ、少しの間」。暴れ出しそうな「私」を「抑えていて」という意味だと思うけれどこの歌詞はヒリヒリくる。その割には曲調は平坦で落ち着いている。
❶❷忘れられるものならば
サビが好き。旅情的。哀愁が漂っている。あぁ私も遠くまで行きたい。
昔聴いてたときから、ずーっと気になってることがあるんだけど、間奏の途中でガクンと音が下がるというか、音がズレるようなところがあって、今回買った音源でもやっぱり、ガクンて音が下がってる(上がってるのか?)のだけど、やはり気になる。別にどうってことない揺れなのか、私の耳がおかしいのか。
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1番好きな歌は「彼女の生き方」、これは歌詞に惚れた。膨大な曲の中で、私の好きな曲5本の指に入る。この曲が目立たないのが不思議で不満だ。
ということで、中島みゆきの2ndアルバム「みんな云ってしまった」について書いた。
長くなってしまいましたが読んでいただけてましたら幸いですm(_ _)m
それではまた(´ー`)