中学生のとき、箸の持ちかたを同級生に注意された。今でもときどき思い出す。
だけど直したくない。私はこれでいい。注意してくる人は大抵“いい子”でお金持ちで勉強ができ頭が良く友達も多い。私の気持ちなんてわからないんだ。私は直さない。これで良い。嫌われても良い。私は箸の持ちかたが汚くても良いという人と付き合うよ。あんたなんかとは付き合わないから。
そう思っていたら人と食事をする機会が減った。やはり恥ずかしいと思うから人と食事をするのを避けるのだ。
私にとっては箸の持ちかたを直せということはブスだから整形しろと言われるのと同じ。ブスはブスなりに自分のことが好きだから整形はしたくないのだ。分かるだろうか、この気持ち。
私は礼儀作法なんて知らない。教えてもらいたくもない。
私の親は私の箸の持ちかたを直そうとしなかった。私はそのことで親を恨んではいない。
ご飯は食べれればそれで良い。それ以上のものであるものか。
箸の持ちかたを直して見返してやるなどという選択肢はない。勝手にしろと言われるだろうか。
勝手にするよ。